TOM成形とは
当社が開発し、そして特許工法であるTOM成形は、凹凸がある立体形状に3次元にフィルムを被覆(加飾・貼付け)する事がでます。 塗装やめっきの代替工法として利用でき、大掛かりな塗装ラインを必要としません。
使用電力量・CO2排出量はこれらの3分の1程度に抑える事が可能となり、省スペース・省コスト・省エネルギー・環境負荷軽減に役立ち、カーボンニュートラル達成の一役として担うことが期待できます。
また使用するフィルムにより、製品に高付加価値を付与する加飾のみならずに、耐候性・耐薬品性・防水・光沢・表面硬度など機能性を付与する事もでき、製品の改質や機能向上を達成する事も可能となります。
先ずは下のTOM成形と成形設備紹介動画をご覧ください。
TOM成形とTOM成形設備紹介動画
再生時間:5分3秒 ※ナレーションがありますTOM成形の特徴
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1.製品(基材)の材質は問わない
樹脂以外に、接着し難いPP・ガラス・金属・木材など接着剤(若しくは粘着剤)次第で何でも加飾(被覆)する事が可能です。 -
2.3次元大型製品に対応可能
ウルトラワイドTOMマシンなどを使用する事で大きな自動車の部品や建築資材などにも加飾(被覆)が可能です。 -
3.小物製品では多数個成形が可能
成形ステージに対して加飾する製品が小さい場合は、複数個セットする事で多数個加飾(被覆)する事が可能です。 -
4.製品逆テーパ部、端末巻込みが可能
製品の裏面までフィルムを加飾(被覆)する事が可能です。 ※限度があります
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5.文字絵柄合わせが容易
外部の影響を受けないボックス内での成形なので、位置合わせの精度が従来の真空成形より高いです。 -
6.フィルム表面の手触り感をそのまま残せる
例えば、インモールド成形やインサート成形程の高温・高圧をかけないので、フィルム表面の凹凸を残せます。 -
7.フィルムの機能を損なう事なく、製品に与える事が可能
フィルムが持つ機能(耐候性・耐擦傷性・耐薬品性・自己修復性・抗菌性など)を加飾(被覆)する事で、製品にもその性能を付与する事が可能です。
TOM成形のプロセス
成形機の断面図と構造図
01クリップケースと加飾フィルムをセット
02上ボックス降下
03上下ボックス内真空吸引とヒータ加熱開始
04テーブル上昇
05上ボックス内大気開放
06上ボックス内加圧(圧縮空気)
07クリップケースとフィルム取り出し
08【別工程】フィルムトリミング加工
クリップケース成形例
クリップケース多数個成形 動画
TOM成形採用例
手洗いシンク(扉部材に木目調フィルムをTOM成形)
電子オルガン(射出成形品に木目調フィルムをTOM成形)
介護用ベッド(ブロー成形品に木目調フィルムをTOM成形)
自動車パーツ(透過性のあるメッキ調フィルムをTOM成形-透過性を利用しイルミネーションパーツとして採用)
ー TOM成形は様々な分野での採用実績があります ー
自動車内外装パーツ・鉄道車両・バイク・建材・家電・電子部品・調理器具など
本社展示室に様々なTOM成形採用品が展示されております
TOM成形の提案・応用
フィルムバリエーション
基材(素材)は同じものでも、加飾するフィルムを変えることで簡単にバリエーションを増やすことが可能です。
抗ウイルスフィルム
フィルムを被覆した製品上の特定ウイルスの数を減少させる様な機能性フィルムをTOM成形することが可能です。
カラフルなめっき調フィルム
環境汚染にも繋がる「めっき」処理ですが、フィルムで加飾することによりクリーンな環境でめっき調アイテムを作ることができます。
TOM成形で使用する加飾(被覆)フィルム
写真の加飾フィルムは表面に凹凸が施された非常に手触り感があるフィルムです。TOM成形では他の加飾工法とは違い高温・高圧をかけないので、TOM成形後もフィルム表面の凹凸を残したままの付加価値の高い高意匠アイテムを作ることが可能です。
その他に光沢系フィルム・めっき調フィルム・浴室で使用できるフィルム・耐候性やハードコートに抗ウイルス性などの機能性フィルムなど様々な種類のフィルムがラインナップしています。
TOM成形で活性化された市場と今後の大きな可能性
革新的な3次元表面加飾工法 ( Three dimension Overlay Method = TOM工法 ) は、高機能熱可塑性フィルムをさまざまな製品に被覆することにより、製品の加飾のみならず、機能も飛躍的に向上させるとともに、消費者の感性に訴え需要を刺激し、新しい市場を創造することを目的とし、此の市場に資材を供給する川下産業の活性化を図るものです。
Core Technologyである従来の塗装・めっき代替工法になるとともに、さらなる市場の拡大が見込まれます。
使用する表皮材は、三つの異なった技術が必要ですが、トータル270社以上のネットワーク、 各界の高い技術力を持つメーカ間で協業する事により、現在数多くの表皮材がTOM市場に出されています。